私はモラハラを受けている?家庭内モラハラの定義と具体【夫婦】

夫婦の問題としてよく出てくるのが、家庭内のモラハラですよね。

 

夫婦間のモラハラSNSなどでも話題になり、毒親などと同時に家庭内の問題として取り上げられています。

 

家庭内のモラハラは一見しただけでは判りづらく、外では良き旦那や妻を演じ、家庭内だけモラハラの暴君と化すパートナーもいるでしょう。

 

本記事ではそんな家庭内モラハラについて解説し、実践して欲しいモラハラ対策をお伝えします。

 

家庭内モラハラに苦しめられている方はぜひ最後まで目を通していただき、モラハラとの向き合い方の参考にしてくださればと思います。

 

モラハラとは

モラハラとはモラル・ハラスメントを略した言葉です。

 

道徳や倫理を指すモラルと、人を困らせること(嫌がらせ)を表しているハラスメントを組み合わせた言葉ですね。

 

肉体的な暴力を振るうわけではなく、言葉や行動によって相手の心を傷つける態度のことを総じてモラル・ハラスメントと呼びます。

 

家庭や職場はもちろん、クラブやサークルといった人が集まる場ではどこでも起こっているハラスメントですね。

 

モラル・ハラスメントは目に見えないため判断が難しく、被害者がハラスメントをされている自覚がないケースがあることも問題です。

 

モラル・ハラスメントをしている側は正当性があると思い込んでいたり、常識やマナーと言った反論しづらい概念を盾にしてくるため、非常に厄介なハラスメントです。

 

三者の助言でおかしいと思うようになったり、ネット検索で調べて初めて自分がモラル・ハラスメントを受けていることに気が付く人も多いんですね。

 

ジワジワと被害者の心を蝕み、いつの間にか精神を壊していくモラル・ハラスメントは、人のメンタルを破壊するサイレントキラーだと言えるでしょう。

 

家庭内モラハラにあたる行為

家庭内モラハラ夫・妻のどちらかがパートナーに向けモラハラを行います。

 

嫌味や暴言を言って日頃のストレスを発散したり、態度によって家庭をコントロールしようとする行為です。

 

夫・妻それぞれの立場で、よくあるモラハラのパターンとはどのようなものがあるのでしょうか。

 

夫によるモラハラの例

 

夫による妻へのモラハラで多いのは以下の4つです。

妻の自由を許さない

友人や知人との外出に口出ししたり、自分の決めたルール通りに家事を行わせようとします。勝手な行動を取ると怒りをあらわにしたり、無視といった態度でさらなるモラハラを行います。

妻を卑下するような発言

「仕事してないくせに」や「家事もまともにできないのか」、「専業主婦しか能がない」など、妻の自尊心を傷つける言葉をぶつけます。

妻や子供に対して上から目線

「子供のできが悪いのはお前(妻)のせいだ」、「お前(子供)は何もできないな」、「お前らは俺の言うことを聞いてればいいんだよ」など、上から目線で家族を侮辱します。

妻に生活費を渡さない

何かと文句をつけて給与を全部渡さなかったり、全額渡さないケースもあります。やりくりな下手な妻が悪いと当てつけ、夫がお金のコントロールをしている場合もあります。

 

仕事をして稼いでる立場を盾にするケースが多く、妻や子供は養われてる立場だから格下といったスタンスモラハラをする夫の精神構造になります。

 

妻だけでなく子供にモラハラを行っている場合もあり、家族全体を自分の支配下に置こうとするのが特徴ですね。

 

妻によるモラハラの例

 

妻から夫に行われるモラハラで多いのは以下の4つです。

機嫌でコントロールしようとする

ちょっとした夫の態度を不満に思い無視をしたり、大声で怒りを露わにするなど、態度によって相手をコントロールしようとするモラハラです。

夫の仕事や収入に文句を言う

給料が少なくて苦労する愚痴、昇給や出世の話がこないのは夫が仕事ができないからなど、夫の仕事を否定するようなことを言います。「〇〇さんの旦那さんは〇〇株式会社でいいわね」など、比較による嫌味などを言ったりもします。

夫の家族に辛辣な態度を取る

私が夫で苦労しているのはあなたたち(夫の両親)の育て方のせいなど、遠まわしに夫の家族に嫌味を言います。夫の兄妹にも小さな嫌味を言ったり、夫の問題点や愚痴を言ったりします。

子供に夫の悪口を言う

お父さんってこんな酷いことをしてくるのよ、お父さんみたいになっちゃダメよなど、子供に夫の悪口を吹聴します。自分はお父さんに苛められてるポジションを取ります。

 

自分は被害者の立場を取るのが妻が行うモラハラの特徴で、夫のダメな部分をひたすら本人や周囲に言うのが基本です。

 

また態度で相手をコントロールしようとする傾向も強いと言えます。気に入らないと無視を決め込んだり、食事や洗濯といった家事を意図的におろそかにしたりもします。

 

家庭内モラハラが起こるのはなぜ?

家庭内でモラル・ハラスメントが起こりやすいのはなぜでしょうか。

 

モラハラをする人の心理

・家庭内でモラハラが起こりやすい理由

モラハラを受けやすい人の特徴

 

上記の3つの項目に分け、家庭内でモラハラが起こる原因について解説します。

 

モラハラをする人の心理

モラハラをする人の傾向として、他人の気持ちよりまずは自分の気持ちを優先する点があります。世界は自分中心で回っていると思いがちなんですね。

 

また自分より立場の弱い人や気が弱い人には強気に出る特徴もあります。相手を格下だと判断した瞬間、マウントを取って主導権を握ろうとします。

 

その上で自分より地位のある人、社会的に成功している人には下手に出る性質も持っています。家庭外では人当たりがよい人と見られている場合もあるでしょう。

 

モラハラ加害者にとって人間関係は、支配する側とされる側がベースにあります。自分の方が優れている、立場が上と思った瞬間、相手を見下して接する傾向が強いんですね。

 

家庭内でモラハラが起こりやすい理由

家庭でモラハラが横行する原因としては、モラハラ加害者は自己中心的で人間関係には全て上下があると思っていることが理由です。

 

夫によるモラハラは、上下関係がポイントになっています。仕事をして稼いでいる自分の方が専業主婦の妻より格上といった心理が働き、モラハラに発展するんですね。

 

妻によるモラハラは、自分の気持ちを優先させることが根本にあります。自己中心的な怒りや不満が妻を被害者にし、モラハラを正当化する口実を作り出します。

 

もちろん上記の2つが組み合わさっているモラハラ加害者もいるでしょう。モラルやマナーを盾に、自己中心的な主従関係で家族を支配しようとするのがモラハラ加害者なんですね。

 

モラハラを受けやすい人の特徴

劣等感が強い人はモラハラの被害に遭いやすいと言えます。自分は周囲より劣っていると感じているため、モラハラ加害者に付けこまれやすい傾向があります。

 

自分の意見を言うのが苦手な人も被害に遭いやすいでしょう。不満や悲しみを相手に伝えることが不得意なため、モラハラ加害者のターゲットにされやすいんですね。

 

我慢強い性格の人も注意すべきです。我慢強い人は多少の精神的な攻撃には耐えてしまうため、自分も周囲もモラハラを受けていると気が付きにくいケースが多いものです。

 

我慢強い人は自分が耐えれば丸く収まると考えたり、割り切って人付き合いするのも大人だと軽く考えてしまいがちなんですね。

 

しかし心は消耗しており、どこかでポッキリ折れてしまうことも考えられます。モラハラ被害者との関係性には対処が必要だと言えるでしょう。

 

上記の人たち特徴は、家庭内モラハラと悪い意味で親和性が高いと言えます。会社などの集団とは違い第三者の視点がないため、付けこまれていることに気づきにくいんですね。

 

家庭内パートナーとの関わりにストレスを感じており、モラハラかも?と思ったらご自身の性格を分析してみてください。

 

もしかしたらモラハラ加害者に付けこまれ、都合のいいようにコントロールされている可能性があります。

 

モラハラを理由に離婚はできる?

結論から書きますと、モラハラの内容によっては離婚理由になります。

 

離婚理由のポイントとしては、法廷離婚原因(民法第770条)にある「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当しているかどうかです。

 

「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当すると裁判所に判断してもらうには、客観的にモラハラを受けていると判る証拠を集めておく必要があります。

 

証拠はメモや録音などが有効で、メモは日時、場所、受けた言動を詳細に書き留めておくことが大切です。

 

モラハラをする相手とは話し合いが成立しにくいものです。裁判所に持ち込んで離婚を求める場合、話し合いベースの「協議離婚」では離婚決定がまとまらないことも多いでしょう。

 

そのため、裁判所に持ち込んで離婚を行う場合は「協議離婚」ではなく、三者である調停委員を交えて話し合いを進める「調停離婚」から試みるのが良いですね。

 

とはいえ「調停離婚」も基本は話し合いの延長です。最終的には「調停離婚」から訴訟の提起をし、裁判上の手続によって離婚を成立させる「裁判離婚」に発展する可能性もあります。

 

「裁判離婚」を有利に進めるために重要になるのが、「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当するかどうかの証拠なんですね。

 

裁判所での「離婚協議」に持っていく場合は「裁判離婚」になることを想定し、必ず証拠を集めておくようにしましょう。

 

家庭内モラハラに立ち向かう方法

パートナーから家庭内モラハラを受けている状況は辛いものです。モラルや常識、マナーといった反論しにくい口実を盾に責められ続けるのは大変なストレスでしょう。

 

そこでこの章では、家庭内モラハラに立ち向かうための対策を3つご紹介します。

 

モラハラをする人の言葉を真に受けない

モラハラの証拠を集めておく

・別居をする

 

上記3つの項目に分け、家庭内モラハラの対策を解説しています。

 

モラハラは立派な人権侵害です。一方的に我慢する必要はありませんので、ぜひ対策を講じてご自身の身を守りましょう。

モラハラをする人の言葉を真に受けない

モラハラ加害者モラハラによって相手を支配しようとしたり、自分は凄いと思いたい欲求があります。言葉の裏には目的があるので、言葉自体を真に受けないようにしましょう。

 

家庭内モラハラの加害者は、パートナーを支配下に置くことで自分のプライドを保っていたり日頃のストレスとのバランスを取っている場合が大半です。

 

ちゃんと連絡してよ💢とキレるくせに、連絡したら露骨に無視する。どういう理屈だ。そもそも理屈が成り立つならモラハラなんかなってないか。マトモな人間だと思うとこっちがおかしくなるのでスルーしよ。

                                                                                                                                                             引用:Twitter

 

SNSによせられた、妻のモラハラをスルーする夫の意見です。モラハラ加害者自分の感情や優越感を優先しているため、言動自体にはさしたる中身はありません。

 

真正面から受け止め続けていては普通の人は身が持たないんですね。ですので、「また始まった」くらいの感覚で受け流すようにするのが効果的です。

 

スルーで重要なのは、私は自分の意思でスルーしているという強い気持ちを持つことです。言い返せないから仕方なくスルーしているといった弱気な態度は厳禁です。

 

自分が悪くない時に謝ることもやめましょう。威圧的な態度に屈して謝るとモラハラ加害者は満足し、モラハラが酷くなる可能性があります。

 

無視は関係をこじらせるためおすすめできませんが、毅然とした態度でスルーする意識を持ち続けることが大切です。

 

モラハラの証拠を集めておく

あまりにも家庭内モラハラが辛く、将来的に離婚を検討しているなら証拠を集めておくのも有効です。

 

日頃の何気ない夫婦のやり取りをメモや録音で記録しておき、数を集めて説得力を高めておきましょう。裁判所で有効な武器になります。

 

夫の言動を録画できた。客観的に見ておかしいと思う人が多いであろう言動。

 

 

こういう証拠をもっと集める。調停になった場合に、私に有利になるように、義理の両親はきっと離婚に反対するからそれを説得するために。

                                                                                                                                                             引用:Twitter

 

上記はSNSによせられたモラハラに対する証拠集めです。証拠集めは大変ですし勇気も必要ですが、最も有効な対策の1つですので、行動を起こして欲しいですね。

 

メモは日時と具体的なモラハラの言動を書き留めてください。いつどこで何をパートナーに言われ、その時に自身がどんな気持ちになったかを詳細に書き記すことが大切です。

 

録音はスマホの録音機能やボイスレコーダーを使って記録すると良いですね。特にボイスレコーダーは小型でポケットなどに忍ばせやすいのでおすすめです。

 

モラハラの証拠集めの良いところは、モラハラ加害者と戦っている意識を持たせてくれるところです。反撃が可視化できているのもモチベーションを生んでくれるでしょう。

 

近い将来、集めたモラハラの証拠を相手に叩きつけてやる気持ちがあれば、モラハラ加害者の言動もスルーしやすくなります。

 

家庭内モラハラによって心身を蝕まれ、辛い気持ちで過ごしているならばモラハラの証拠集めをしてくださいね。

 

被害を受けているのはあなたですので、遠慮は必要ありません。

 

別居をする

まったく話し合いができないモラハラ加害者ならば、別居をするのも選択肢の1つになります。

 

モラハラ加害者は責任転嫁をよく使い、明らかに自分に非がある場合でも論点をずらして逆ギレしたりします。

 

絶対的に相手が悪い事柄でも、こちらが意見すれば、じゃあもう来るな、俺が悪いとしても俺を怒らせるお前が悪いと責任転嫁で逆ギレ。

話し合って謝られたことなんかありません。

                                                                                                                                                  引用:Yahoo!知恵袋

 

上記は掲示板によせられた意見ですが、付き合っていた彼氏によるモラハラです。もともと話し合っていた内容ではなく、「俺を怒らせたこと」に話が擦り替わっていますね

 

モラハラ加害者とは話し合いが成立しない場合が多いものです。モラハラを受けるだけの状況は心身共に消耗しますので、対策として別居を視野に入れておくべきでしょう。

まとめ

家庭内モラハラは閉鎖的な空間で行われるため、発見が遅れがちなハラスメントです。

 

パートナーのどちらかが耐えているケースも多く、モラハラ加害者の怒りを恐れて対策に踏み出すことを躊躇している話も聞きます。

 

しかし家庭内モラハラ夫・妻や子供の心身を傷つけ、家族の関係を破壊する重大な人権侵害なのは間違いありません。

 

モラハラ被害者だけが我慢すれば解決する問題ではありませんので、どうしても辛い場合は勇気を持って戦う行動を起こしていく必要があるでしょう。

 

本記事でお伝えした対策を含め、親兄妹・知人・弁護士などへ相談することも有効です。1人でモラハラ加害者と向き合わず、第三者を遠慮せずに頼ってくださいね。